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「不動産取引契約シリーズ」の第3回目は、「不動産賃貸借に関する知識」をお届けします。

 

不動産賃貸借契約とは

不動産賃貸借契約は、貸主と借主のあいだで行われる、法律にもとづいた契約行為です。売買契約と同じように、契約の前に不動産業者が、借主に対して「重要事項説明書」という書面で重要な情報が示されます

この書面をもとに宅地建物取引主任者資格者が、借主に対して説明を行うことが義務付けられています。疑問などがある場合は、この時にクリアしておきましょう。

賃貸借契約とは、次に掲げる行為によって成り立ちます。

  • 貸主が、借主に対して、ある物を使用収益させることを約する(※ 使用収益=特定の物を使って、利益を取得すること)
  • 契約書を作成し、記名押印を双方が行う
  • 借主は、貸主に対する賃料支払義務を負う

 

賃貸借契約時のチェックポイント

契約を締結する前に、いくつかのポイントを押さえておきましょう。細かいところで、後になって「思っていたことと違った」と言っても戻れません。

目的物件の特定

賃貸借の対象について、内容を特定しているかどうかを確認します。

  • 土地・建物(室)の所在地
  • 建物の構造(木造・鉄筋コンクリート造など)
  • 面積

レント・クリニックの場合には、駐車場など付属している敷地の利用についても定めているか確認します。さらに、利用目的(医院経営)とそれ以外の目的使用禁止が定めてあるかも重要です。

 

契約期間

建物の賃貸借契約期間については、法的規制が特になく、契約当事者相互の合意で設定できることになっています。

ビルテナントの場合は、短くて2年、長くて5年などが一般的で、期限が来たら更新するかどうかを決めます。レントクリニックの場合は、15年~20年など比較的長期になることが一般的です。

貸主にとっては、自己所有の建物に空きスペースがあると賃借料という収益が生まれないことになるため、特別に事情がなければ「できるだけ長く入っていてもらいたい」と考えるのが通常です。したがって、契約期間をやや長めに設定することで、家賃を下げる交渉をすることも考えられます。

 

賃料・共益費

毎月の使用料には、賃料と共益費が含まれています。賃料については、借りる場所について支払う対価と考えられます。

共益費は、ビルの中で複数のテナントが共用している部分(エントランス、エレベーター)の維持・管理のために支出する費用です。

使用料は、更新時に改定する旨の記載が契約書になされている場合がほとんどです。改定の条件や期間が納得のいくものか、必ず確認しておきます。

 

敷金・保証金・権利金

いずれも、かなりの金額になることが予想されます。「敷金〇ヵ月分」など、地域によって相場がありますので、事前に周りの状況を調べておいて資金計画に盛り込んでおきます。

一般的に、敷金は借主の賃料支払義務を担保する目的で貸主に預けるお金であり、契約が終了して明け渡しを行ったときに返済されます(原状復帰代金を引かれて帰ってくるパターンもありえます)。「保証金」と呼ばれていても、この種の性格で使われていることもありますので、条件をよく確認しましょう。

保証金は、貸主が建物を建てる際に協力金として支払う性格を持っているものがあります。保証金が後で返還されるのかどうか、トラブルを防ぐためにも事前に確認しておきます。

権利金は、礼金などと呼ばれることもあり、賃借権を設定したことに対するお礼として支払われる慣習的なお金です。契約終了後も、返還されることはありません。

 

引き渡し時期と賃料の発生時期

契約以前にすでに入居しているテナントがある場合、退去・原状復帰してから明け渡しとなります。開業にあたって何らかの工事が必要な場合、この明け渡し時期がいつになるかによって、着工日が決まります。

もし以前のテナント退去が予定よりも遅くなった場合は、開院後の経営に大きな支障をきたす恐れがありますので、明け渡し時期といつから賃料が発生するかは念入りに確認しておく必要があります。

 

明け渡し条件

契約期間が長期にわたっていると、解約時や契約終了時については具体的にイメージが湧かないものです。しかし、万が一ということもありますし、やがては必ず起きることであるため、明け渡しについては条件を確認しておきます。

ポイントは、原状復帰の範囲がどこまでを含み、費用がかかるのかどうかが特に重要です。

 

内装・設備条件

原則として、建物の床や壁、柱などに穴を開けたり、パイプを通したりする工事は貸主の同意なしにはできません。しかし、医院には新たな水道設備やトイレ、洗面台、空調、医療機器用の電源などの設備工事が必要になります。

設計業者などと契約前にしっかりと打ち合わせを行い、壁や柱などに工事が必要な場合はあらかじめ貸主の許可を取っておきましょう。

 

空調・水回り

医院では、プライバシー保護の観点から診察室と待合室で音が漏れないようにするなど、間仕切り工事を行ったりします。そのため、既存の空調ではカバーしきれないこともあり、設備計画をしっかりと行っておくことが必要です。

また、水回りについてもパイプシャフト(配水管・排水管の位置)によっては自由が効かない場合もあります。医院の設計が、その場所でうまく行くのかどうか設計業者等の専門家に確認してもらいましょう。

 

電気容量・荷重・天井の高さ

テナントビルでは、大型の医療機器を導入する際には、電気容量や床の耐荷重、搬入時の方法などを事前に確認しておかなければなりません。

電気容量が足りない場合には追加工事が必要で高額の工事代金がかかったり、せっかく内装工事を済ませても大型設備が搬入できないなどのトラブルが発生するケースもあります。何事も慎重に事前確認することが重要です。

 

開業サポート

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