ヘルスケアブログでは、医院開業を志すドクターのために、開業に役立つ知識や情報をまとめてお届けしています。

前回に続いて「融資交渉」に関する内容です。

 

融資審査の第一関門

銀行は、「ドクターだから」「医療だから」と審査を甘くすることはありません。

開業しようとしているドクター自身の人柄や誠実な受け答え、気になる発言がないかなど、まずは「人」を見ます。

銀行に提出する書類を、他人任せにして内容を熟知していなければ、「責任感も知識も無い人物」と見られて、仮に担保等が十分であったとしても「経営能力」を疑われて審査が不合格になることもあります。

特に、事業計画書のチェックは厳しく、ドクター自身が確固たる信念をもって開業に臨んでいるか、具体的な根拠をもって進もうとしているか、そしてその根拠は論理的なものか、書類を通してやり取りをするのは、非常に重要な局面となります。

 

融資審査における書類の重要性

交渉局面では、重要なポイントの確認を証拠として残すために、口頭ベースではなく書類で提出することになります。

以下、どのような書類が具体的に必要か列挙します。

① 経営基本計画書

これから開業する医院の全体像を示したものです。

医院開業の目的や経営理念、開業後の基本方針、診療科目や内容、医療連携のあり方、診療の方針、医院運営の方針、組織体制などをまとめて記します。

 

② 診療圏(開業圏)調査報告書

開業した医院に十分な患者数が見込まれるか、医院経営が数字として成り立つのかどうか、具体的な根拠となるのが、診療圏(開業圏)調査報告書です。

これは、開業予定地を中心とした診療圏を半径2km以内と設定した場合に、人口・年齢構成や受診率など様々なデータをもとに、見込患者数や推計収入も把握できるリサーチ資料です。

事業計画書で立てている数字が、診療圏調査報告書と乖離がないかチェックされます。

さらに、ドクター自身が実際に足を運んで現地の状況を観察していると、会話の中で説得力が増します。

診療圏調査報告書の内容については、こちらの過去の記事をご覧ください。

・広島県福山市で整形外科を開業する場合の診療圏(開業圏)調査

・広島県福山市で皮膚科を開業する場合の診療圏(開業圏)調査

 

③ 建築・設備計画書

経営基本計画書の内容に沿った診療を行うために、どのような建物や設備が必要で、どれくらいの資金が必要なのかを説明するための資料です。

銀行側は、融資額が過剰ではないかを確認します。

 

④ 収支計画書

診療圏調査報告書をもとにした売上予測や、人件費、材料費、広告費など様々な費用などを記し、収支予測を示すものです。

具体的な根拠にもとづいて、計画上のリスクが大きくないか、収益はどれくらい見込めるか、今後成長はあるかなどをチェックされます。

 

⑤ 担保明細

不動産担保を設定する場合は、対象となる不動産の登記簿謄本、連帯保証人を付ける場合は申告所得明細書等を添付します。

 

次回、「融資交渉」の最終編をお届けします。

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