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今回は「資金計画シリーズ」の第2回目「運転資金計画」です。

 

立ち上げ時の運転資金

医院開業後、3ヵ月~6ヵ月、長い場合には1年と、収入から支出(経費)を差し引くと単月で赤字となる期間が続くと予想されます。

このとき、資金ショートを起こしてしまうと、スタッフに給料が払えない、業者に取引金額が払えないなどの事態に陥ると、その後の経営に大きな影響が出てしまいます。

この期間を乗り切るために必要なのが運転資金であり、シビアに考えたうえで正確に予算を立てましょう。

開業準備期間~開業後に出ていくお金

  • 借入金の返済・利息
  • 水道光熱費
  • 人件費(採用費・教育費含む)
  • リース料
  • 保険料
  • 引っ越し費用
  • 広告宣伝費(宣伝チラシ、新聞広告、ホームページなど)
  • 医師会加入費
  • 通信費 など

これらの費用について、場合にもよりますが約700万円~1000万円程度のお金が準備から開業後のしばらくの期間まで必要と考えられます。このお金は、開業後に赤字を補てんするためのお金でもあるので、簡単には使えません。

 

開業パターンによる必要資金

運転資金を踏まえて、開業パターンごとに必要資金を考えてみたいと思います。
ここに挙げるのはあくまでも一例に過ぎませんので、実際はご自身の開業プランに合わせてお考えください。

一戸建て(土地購入)

  • 土地購入費用 4,500万円(坪30万×150坪)
  • 建物購入費用 4,000万円(坪50万×60坪+その他の工事)
  • 医療機器・什器・備品購入費用 2,500万円
  • 立ち上げ運転資金 800万円

合計:1億1千8百万円

一戸建て開業は、やはり土地・建物の購入費用が重いことが特徴です。しかし、これは自分の個人資産になりますので、見方によってはメリットがあります。

 

ビルテナント開業

  • テナント保証金 300万円
  • 内装設備工事費用 1,500万円
  • 医療機器・什器・備品購入費用 2,500万円
  • 立ち上げ運転資金 600万円

合計:4,900万円

土地・建物の購入費用がない分、一戸建てと比べるとかなり初期の必要資金が少なくなります。その分、内装設備工事の必要がかかるのが特徴です。この時、必要な工事が抜けていないか、医療機器の電源は確保されるか、水場は確保されているかなど、追加工事が不要なように詳細に詰めておく必要があります。

 

借地開業(建物購入)

  • 土地借地保証金 500万円(地代相場5,000万円×10%)
  • 建物購入費用 4,000万円(坪50万×60坪+その他の工事)
  • 医療機器・什器・備品購入費用 2,000万円
  • 立ち上げ運転資金 1,000万円

合計:7,500万円

土地購入費用がない代わりに、保証金がかかります。あとは、一戸建て開業のパターンとほぼ同様の内容になると考えられます。

 

レント・クリニック

  • 借家保証金 300万円
  • 建築協力金 400万円
  • 医療機器・什器・備品購入費用 2,500万円
  • 立ち上げ運転資金 1,300万円

合計:4,500万円

土地のオーナーが建築まで行い、それを医院開業希望者に貸し出すレント・クリニックのパターンでは、土地・建物購入費用がない分かなり資金が少なくて済みます。

ここでは建築協力金を工事代金4,000万円×10%で見積もっていますが、これがまったくかからない場合もあります。

賃貸借契約開始後は、開業していなくても家賃が発生しますのでその分を運転資金に見込んでやや高めに考えています。

 

以上、自己資金や融資を考えたうえでどの開業パターンがふさわしいのか、自分の理想とする医療と現実をすり合わせながら必要資金を考える必要があります。

 

次回は「資金調達」についてお届けします!

 

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