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「資金計画シリーズ」の第5回目は、「収支計画」です。

 

収支の考え方

開業後、どの程度の患者数が見込めて、診療から得られる収入は十分なのか、費用は支払えるのか、いつごろ経営が安定するのか…

このような医院経営にかかわる具体的な数値の部分は、最も関心を寄せるところだと思います。

保険診療中心の医院は、基本的に政府が決める「公定価格」の影響を受けます。診療単価を自由に決めることはできないため、患者数が一定以上は見込めなければ収支が思うように成り立ちません。

さらに、収支計画を根拠のあるものにしなければ、融資もうまく進みません。

したがって、次のような考え方で収支計画を進めていきます。

〇医業収入=1日当たり来院見込患者数 × 平均診療単価

〇収支=医業収入 - 医業費用

 

見込患者数と診療単価

診療単価と医業費用など、医院経営に関わる重要な数値については、独立行政法人福祉医療機構(WAM)のサイト等を利用して、情報を入手します。

課金を行えば、さらに詳細な数値を知ることができます。

独立行政法人福祉医療機構(WAM)
http://hp.wam.go.jp/guide/keiei/shihyou/tabid/1976/Default.aspx

また、厚生労働省の医療経済実態調査(医療機関等調査)も参考になります。

このようなサイトや、専門家が持っている情報を活用しながら収支計画を具体化していきます。

 

医業費用

医院経営には当然費用(コスト)がかかりますが、診療科目別に医業費用は一定の数値を示すことが知られています。

上記のWAMや政府公表の数値を参考にしながら、収入に応じた費用の割合を当てはめていきます。

■参考:医療経済実態調査(医療機関等調査)平成29年版

 

順調な計画は2~3年目以降に設定

以上の進め方で収支計画を立てる場合、1年目は患者数もまだ少なく黒字になるケースはまれであるため、黒字化できる計画については経営が軌道に乗ると見込まれる2年目または3年目から、順調な計画にしていきます。

実際、上記の参考数値は既に経営を安定させているところが多いので、そのまま1年目に当てはめることはできません。

変動費(医薬品費、材料費など収入に応じて変わるもの)と、固定費(人件費や家賃等などベースがあって変わらないもの)、減価償却費、利息などを加味して具体的に計画を立て、経営後のイメージをしっかり持ちましょう。

 

次回は、医院経営のカギを握る「資金繰り」についてお届けします!

 

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