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今回は「資金繰り」について、最後の内容です。

 

開業総資金と自己資金のバランス

開業に必要な総資金が仮に1億円だった場合、勤務医のドクターが自己資金として用意できる平均の金額はその25%(約2,500万円)程度と言われています。仮に3,000万円用意できたとき、7,000万円は金融機関などから借りて開業に挑むことになります。

35歳のドクターが、自己資金として1,000万円を用意できる場合はどうでしょうか。

うまく銀行から1億円の融資を受けて、20年で完済する計画を立てたとします。この時、元金を返すために毎年500万円ずつ返済していかなければなりません。

このドクターが勤務医の年棒として1,200万円をもらっていたとすると、開業後に勤務医以上の収入メリットが生じるためには、元金返済分を合わせて1,700万円以上の利益を医院経営で生み出す必要があります。

 

利益から考える必要な医業収入

このドクターが元金と利息を返済していくためには、1,700万円以上の利益に加えて、さらに1億円の融資に対する利息を考えると、おおむね2,000万円程度の利益が必要となります。

診療科目にもよりますが、医業費用は概算で行くと6割程度と考えられています。したがって、残りの4割が利益と考えると、2,000万円を利益として残すためには5,000万円の医業収入が必要で、これを月割にすると、約420万円/月となります。

患者1人当たりの平均収入単価が内科で6,000円程度であると仮定すると、700人の患者さんが1ヵ月で来院してもらって始めて達成できます。

最後に、月に25日クリニックを開ける場合、1日あたり28人の患者さんの来院がなければ収入上の開業メリットがありません。

 

逆算して必要資金・収入を考える

以上の考え方をすると、開業時の投資総額について妥当かどうかの判断がつきやすくなります。

上記のケースで行けば、地域の状況にもよりますが1日当たり28人の患者さんという数はそこまで難しい数字ではないように思えます。さらに、自己資金がもう少し多く用意できれば、返済額は減り、その分純粋に手元に残る利益が増えることになります。

しかし、必要総資金と借入・利息の金額から考えた時に、来院人数が60人や70人となるとかなりハードルが上がってしまい、開業が現実的でないという結論が出せます。

 

時代の変化に合わせる

最後に、医師不足が顕著であった昭和の時代に比べると、現代では主に都市部で「供給過剰」が叫ばれる時代でもあります(それでも医師数は足りていませんが)。

昔の開業では資金計画などはあまり考えなくとも、かなり早い段階で医院経営が黒字化していた時代です。そういった昔の時代をベースに考えるのでなく、市場環境などを考慮した上で、立ち上げ時の資金と運転資金を余裕をもって用意して、開業に臨むべきでしょう。

 

以上で、「資金計画シリーズ」は全て終了です。

次回からは、融資を考える際に役立つ「金融の基礎知識」についてお届けします!

 

開業サポート

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