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ヘルスケアブログでは、医院開業を志すドクターのために、開業に役立つ知識や情報をまとめてお届けしています。

今回は「立地選定シリーズ」の第1回で、「開業タイプの決定」についてです。

具体的な開業計画は、どのような立地で、どのような形態で医院を始めるかを考えるところから始まります。自己資金やアクセスの良さ、地域住民の状況など様々なことを頭に入れながら決めることになります。

 

資金面の制約がある中で開業を考える

医院開業は、診療を行う場所の地域性、診療科目、提供する医療の質・レベル、手元の資金量、自宅をどうするかなど、様々な条件を考えながら決めていくことになります。

ドクターの理想とする医療の実現には、実際には資金が非常にかかってしまうことがわかって、理想と現実の間にギャップが生じてしまいますが、その限られた資金の中で現実的な路線を考えていく必要があります。

ここで非常に重要になるのが、「医院をどこで開業するのか」という開業タイプの選択です。土地、建物、医療機器を買うのか、借りる/リースするのかによって、開業タイプは大きく分かれます。

 

開業タイプの比較

開業タイプには、大きく分けて6つあります。

①戸建て

②ビルテナント

③借地

④レント(医院建て貸し)

⑤メディカルビル/クリニックモール

⑥メディカル・ビレッジ

以上について、1つずつ考えてみましょう。

なお、医院開業をする上で準備するべき資産は、土地、建物、医療機器・備品、開業後の広告宣伝費・人件費等を含む運転資金の4つに分けられます。

それらの資産について、自分で所有するか否か、所有しないならば誰に頼むかについてよくよく考えなくてはなりません。

 

①戸建て

戸建ての場合、土地、建物、医療機器・備品、開業後の運転資金すべてを自分で準備することになります。大都市部は土地購入だけで数億円がかかったりすることもあり難しいかもしれませんが、地方での開業であれば十分に考えられます。

親がすでに都市圏で自宅開業していて、それを引き継ぐ場合はあまり考える必要はありません。東京や大阪では、たとえ借入を行って土地を購入したとしても、返済に回すお金が多すぎて医院経営が立ち行かなくなるため、現実路線ではありません。

将来的な財産形成や自由度が高くなる点ではもっともメリットがある開業タイプです。一方で、取得費が高額になりますので、資金調達や詳細な資金計画が必要になります。

 

②ビルテナント

大都市部では一般的な、通勤・通学エリアにある駅前ビルなどに入居して開業するタイプです。当然、土地と建物は自己所有ではありませんので、そこにメリットとデメリットがあります。

メリットは土地・建物購入費が不要であるため開業準備資金の借入が不要であり、アクセスが比較的よい場所で開業できる点などがあります。

一方で、入居時の高額な保証金や内装工事費用がかかるため、数千万円~程度の準備金が必要です。したがって、資金・事業計画が非常に重要になります。

また、アクセスが良い場所になればなるほど家賃の額が上昇する可能性があり、将来的に診療報酬のマイナス改定が続けば、赤字が続いて資金が足りなくなってしまうことも考えられます。

 

③借地・一戸建て

自己資金が少ない場合で、採算面の問題等から土地取得の資金調達が難しいときに、借地・一戸建てで開業するパターンが増えています。

土地取得費用がかからずに、建物を設計して自己所有するため、十分な診療スペースや駐車場を確保するなど、自由に考えることができます。車の交通量が多いメイン道路沿いで開業する、郊外型が多いです。

このような土地情報は一般的にはあまり流通しない情報であるため、地元の銀行や農協を通じて情報を集めたり、直接地主に交渉するなどが考えられます。

土地取得費用がかからないため、準備資金額がかなり少なくなることがメリットですが、土地を持つわけではないので、銀行融資を受けにくくなるというデメリットはあります。

 

④レント(医院建て貸し)

借地よりもさらに低コストなのが、新築物件を借りる「レント・クリニック」のタイプです。地域によっては、このケースが増えています。

このタイプでは、地主が自分の土地に医院を建てて、それを医師が借りて診療を行います。土地・建物購入費がないため、初期投資はきわめて少なくなります

新築を建てた家主が賃料を設定するため、それが開業後の資金計画を圧迫しないかどうか、地域性を考えた場合に賃料が高すぎないか、などには注意する必要があります。

 

⑤メディカルビル/クリニックモール

1ヵ所で専門的・多角的な医療サービスを受けられるのが、メディカルビル/クリニックモールタイプです。

メディカルビルは、ひとつのビルに医療テナントが複数入っており、患者さんは総合病院に来たかのように受診することができます。

クリニックモールは、まるでショッピングモールのようにワンフロアに並んだクリニックグループで、自分の希望する科目をまわって受診するタイプです。

ビルテナントでの開業と同様、賃料や入居条件に気を付ける必要がありますが、医療連携やコスト面でのメリットがあり、注目できるタイプです。

 

⑥メディカルビレッジ

それぞれ独立して建っている一戸建ての医院が、ひとつのエリアに集中して医療ゾーンを形成しているパターンです。医療ビルと同様に患者さんは総合的な診療を一ヵ所で受けられるメリットがあります。

通常、不動産デベロッパー業者がかんでいることが多く、医院誘致を目的として開発しています。この場合、市場調査も済んでいるため集患の見込みがあると判断して造られています。

ビルテナントとは異なり、医師は住居を併設でき、建物設計の自由度も高まるため、独立志向の医師にとっては魅力のあるタイプと言えます。

 

以上の6パターンについて、自己資金の状況や開業を希望する場所、求める医療の理想像など様々なことを踏まえて判断していきましょう。

 

開業サポート

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