こんにちは。

ヘルスケアブログでは、医院開業を志すドクターのために、開業に役立つ知識や情報をまとめてお届けします。

今回は、「医院開業を資金繰りから考える」というテーマをお届けします。開業当初は、ほとんどの場合は費用が診療収入を上回るため、赤字経営が続くことが見込まれます。そのような苦しい時期をいかに短くして経営を軌道に乗せるか、ドクター自身の生活も考慮して負担をいかに減らすか、ご説明します。

 

「捕らぬ狸の皮算用」は避ける

前回の記事でご紹介したとおり、医院開業後の集患をできるだけスムーズに行うために、マーケティングの観点から集患にふさわしい季節を選び、理想とするタイミングを考えることが重要です。

しかし、実際には現在の勤務先の状況や自らが辞めた場合の後任医師への引継ぎ、医局・病院等との良好な関係を保つことなど、様々な要因が絡み合ってなかなか理想を実現するには難しいという実情もあります。

さらに、開業後の生活費に余裕をもたせるためにボーナスや退職金をもらい、円満退職を希望するとなると、なかなか具体的な一歩がイメージしにくいのも現実です。

また、金融機関の融資審査に思った以上に時間がかかったり、診療所の着工について、寒冷地であれば季節的な問題から1~2ヵ月工期がずれることもあります。

このように、マーケティングの観点から見た理想の開業タイミングと、現実に即したタイミングにギャップが生じることは多々あります

それでは、甘い予測を捨て、余裕をもって開業に臨むにはどのようにしたらよいでしょうか?

 

開業後6ヵ月間の集患に注力を

開業後は、少しでも多くの患者さんを新規獲得することが重要となります。なぜなら、新規患者数が増えるほど診療収入が増えて、資金繰りを早期に楽にさせることができるからです。

一般的に、開業後の3~6ヵ月は患者数が少なく、診療収入が低い状況が続くことが普通です。一方で、スタッフへの人件費や金融機関への返済、医薬品や備品等の支払などは容赦なくやってきますので、費用が医療収入を上回って、単月で見ると赤字の期間が続きます。

実際は、あらかじめ用意しておいた運転資金(自己資金+借入資金)で赤字を補てんすることになりますが、当然、この期間が短くなればなるほど負担が減ることは言うまでもありませんし、心理的に楽になることが非常に重要です。

開業準備計画の段階で、しばらく運転資金で赤字をまかない、6ヵ月後に黒字になる見込みを持っていたとしても、審査の遅延や工期の遅れなどで開業のタイミングが1~2ヵ月ずれてしまえば、集患の季節と合わなくなってしまい、その期間だけ赤字が伸びて倒産してしまうケースもあります。

したがって、集患のタイミングと運転資金の量を十分に考えて、開業準備に臨むことが重要になるのです。

 

業者も商売でやっている

資金繰りが苦しくなってくると、医薬品や備品等の出入り業者への支払を先に延ばしてもらおうとすることも考えられます。

しかし、業者には業者の経営がありますので、資金回収のリスクがあると判断されれば、取引そのものを見直されたり、逆に支払いをするように何度も迫られる場合もあります。

また、もし銀行に短期借入を頼んで実現できたとしても、新たな利息が発生して月々の負担は増えることになり、借金で借金を返して、状況が好転しないような自転車操業に陥ることも考えられます。

 

「もう2年しかない」という意識で開業準備に臨む

「開業初期に簡単に集患に成功した」と言う、先輩開業医もいらっしゃるかもしれません。

しかし、考えるべきはそれがいつの時代だったかということで、最近の開業では患者数が安定するまでに1年から2年程度かかるのが一般的です。開業準備段階でシビアにマーケティングを考え、ドクター自身の周辺状況を整理しながら、運転資金の計画も立てて、着々と開業に進むことが必要となります。

そして、開業を考えているドクターはひとりではありません。開業前後に、そのエリア内に同じ診療科目のクリニックが参入してきて、ライバルとの戦いになる可能性もあります。

仮に「2年後の4月1日に開業」を決めたとすれば、「まだ2年」ではなく、「あと2年しかない」という気持ちで、土地探しとマーケティング、勤務先やプライベートの調整を行っていき、集患のタイミングが本当に4月開業で良いかなどを検討しながら、早い段階で入念な準備を行っていくことが成功のカギとなります。

 

開業サポート

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